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復興の為の消費税UPは復興を遅らせる?
東日本大震災の復興財源を、消費税率のアップで確保しようという政策があります。
一見もっともな意見ですが、「消費税率をアップすると、税収は減る」ので、逆効果になるということが分かっています。
「本当に?」と思いますが、過去のデータが証明しているので、不可避でしょう。
これについてはいろいろなところで指摘されていることですが、「ロシア経済ジャーナル」の解説が詳しいので、こちらを転載しました。
震災前からも経済は「暗黒の20年」と言われていました、まさか消費税が足かせになっていたとは…。
ロシア経済ジャーナル 2011年4月19日号
★「自粛」と「消費税ひきあげ」で日本経済は壊滅する(マジです)
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
全国に「自粛ムード」が漂っています。
「地震と津波で被災した人たちに申し訳ない」
「原発で作業している人たちに申し訳ない」
「原発で避難している人たち、農家の皆さんに申し訳ない」
この共感・同情・連帯感・一体感はすばらしいですが、実は「自粛」が景気をさらに悪化させていきます。
なんで???
さらに日本の景気を悪化させるニュースが入ってきました。
↓
<消費税3%上げ検討、復興財源に3年限定で
読売新聞 4月19日(火)3時2分配信
政府は18日、東日本大震災の復興財源を確保するため、消費税を早ければ2012年度から3年間限定で3%引き上げ、8%とする方向で検討に入った。>
↑
「復興財源を確保するため」とは。。。
そもそも菅さんは、「増税論者」与謝野さんを起用した時から「消費税引き上げ」が既定路線であります。
巨大地震・巨大津波・原発事故は、消費税引き上げを目指す菅さんにとって、
「都合のよい口実」を提供してくれた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ということなのでしょう。
嗚呼。。。
しかし・・・。
消費税引き上げで、日本経済が沈没すること、確実なのであります。
なんで?
▼基本をおさえよう
経済の基本から考えてみましょう。
昔からの読者さんには、おなじみの話をします。
これがばっちりわからないと、話がつながらないので。
「景気が悪くなっている」とはどういうことでしょうか?
何らかの理由で消費(と投資)が減少している。(消費・投資減)
消費が減ると作っても売れないので、生産を減らす。(生産減)
生産が減り、売上・利益が減ると、企業と個人の所得が減る。(所得減)
企業と個人の所得が減ると、また消費と投資が減る。(また消費減)
消費が減ると、企業はまた生産を減らす。(また生産減)
生産が減り、売上・利益がまた減ると、また所得が減る。(また所得減)
これを図にすると、
消費減 → 生産減 → 所得減 → また消費減 → また生産減 → また所得減 → またまた消費減 → またまた生産減 → またまた所得減 → またまたまた消費減 →(以下同じプロセスの繰り返し)
このように消費(と投資)・生産・所得が徐々に減少しつづけていくこ
とを「景気が悪化している」といいます。
では「景気が良くなっている」とはどういう状況なのでしょうか?
これは全く正反対。
消費増 → 生産増 → 所得増 → また消費増 → また生産増 → また所得増 → またまた消費増 → またまた生産増 → またまた所得増 → またまたまた消費増 →(以下同じプロセスの繰り返し)
もっと単純な言葉にすれば、
景気が悪くなっているとは、消費(と投資)・生産・所得が縮小のスパイラルに入っている。
景気が良くなっているとは、消費(と投資)・生産・所得が拡大のスパイラルに入っている。
では、今回の不況の原因はなんなのでしょうか?
そう、アメリカで住宅バブルがはじけ、サブプライム問題が起こり、リーマンショックなどで金融危機が起こり・・・。
図にするとこうなります。
上記のような理由で世界最大の消費国アメリカの消費が激減した
→ 世界の生産減少 → 世界の所得減少 → 世界の消費減少 → また世界の生産減少 → また世界の所得減少 また世界の消費減少 → (以下同じプロセスの繰り返し)
(●アメリカ危機の【真因】については、
【世界一わかりやすいアメリカ没落の真実】
をご一読ください。
山盛り資料・証拠つきです。
【完全無料】ダウンロードは→ http://tinyurl.com/278esph )
こういう状況は、昔にもありました。
そう、1929年からはじまったアメリカ発の世界恐慌。
この時、アメリカ大統領のフーヴァーさんは、「市場が自由であれば、そのうちよくなるだろう」と古典派的アプローチをとった。
ところが景気は一向によくならず、街には失業者があふれることにことになったのです。
次に大統領になったルーズベルトさんは、はじめて「ケインズ理論」を使いました。
ケインズ理論の最重要ポイントは、
政府が支出を増加させ、「有効需要」(消費と投資)を増やせばいいじゃないか、
ということ。
それでルーズベルトは「ニューディール政策」で「公共事業」をどんどんやった。
そしたら、景気が多少よくなった。
さらに、第2次大戦がはじまり「大軍拡政策」(大公共事業)を推進しはじめると、戦争中にもかかわらず好況になり、完全雇用を実現してしまったのです。
アメリカはブッシュの時代、世界中に「新自由主義教」をおしつけていました。
ところが、オバマさんはアットいうまに「新自由主義」をすてさり、ケ
インズ」に回帰します。
「節操ない!」と批判することもできますが、「きちんとフーヴァー、ルーズベルト時代の教訓が生かされている」ともいえます。
そういえば、読者さんから「アメリカは、不況になると戦争をするのはなぜでしょうか?」と質問が来ています。
戦争になってミサイル・爆弾・銃弾等々がどんどん使われる状況を想定してみましょう。
これは消費増です。
すると、軍事企業はミサイル・爆弾・銃弾等々をどんどん生産する必要が出てくる。
これは生産増です。
すると、軍事関連企業の売上と利益は増え、企業と個人の所得が増えます。
ここから「拡大のスパイラル」がはじまるのです。
戦争による消費増 → 生産増 → 所得増 → また消費増 → また生産増 → また所得増 (以下同じプロセスの繰り返し)
戦争によるインパクトはどのくらいなのでしょうか?
アメリカ一国の軍事費は、世界の総軍事費の約50%に相当する
年60兆円
です。
これは、日本の防衛予算の12年分に相当する膨大な額。
これ以上の説明は不要でしょう。
ルーズベルトよりも徹底的に「ケインズ」をやったのがヒトラー。
ヒトラーは大公共事業により、ボロボロだったドイツ経済を大復活させます。
ドイツ国民が独裁者ヒトラーを支持したのには、それなりの理由があるのです。
もう一度図にしてみましょう。
消費減 → 生産減 → 所得減 → また消費減 → また生産減 → また所得減
これが現状。
このままでは縮小のスパイラルが延々とつづいていきます。
で、ケインズはどうするか?
消費減 → 生産減 → 所得減 → また消費減 → また生産減 → また所得減 → ●政府による消費・投資増加 → ●生産増 → ●所得増 → ●また消費増 → ●また生産増 → ●また所得増 (以下同じプロセスの繰り返し)
ポイントは、一度「拡大のプロセス」にのせてしまえば、後は、【自働的】に拡大スパイラルがつづいていく。
だから、政府が10兆円公共事業したら、20兆円の効果があったなんてことが理論的にはあり得るのです。
歴史からわかることを整理してみましょう。
1、不況時の縮小スパイラルは、放置しておいたら止まらない
(もう一つ例を。
ソ連崩壊後の新生ロシアでは、古典派信者のガイダル・チュバイスが政策をすすめた。
結果、ロシアのGDPは92~98年に43%減少した。(とまらない)
ロシアが立ち直りはじめたのは、98年の金融危機後プリマコフ首相(当時)が社会主義的政策に転換した後である。)
2、不況時には、「古典派」ではなく「ケインズ」が有効であることは歴史が証明している
で、結論はこうなります。
現在のような恐慌時には、
景気対策 > 財政再建
である。
そして、政策を決める時の正しい質問は以下のようなものである。
質問「この政策によって【内需は拡大するだろうか?】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
答えが「ハイ!」であれば、その政策はおおむね正しいとなります。
例、
・公共事業をすれば内需は増える
・減税すれば内需は増える
・(輸入小麦でつくられる)パン給食をやめて米飯給食にすれば、内需は増える
等々。
▼「自粛」と「消費税ひきあげ」で日本経済が沈没する理由
さて、全国的に「自粛ムード」が支配的。
経済的観点からいうと、「自粛」=「消費減少」です。
日本人が皆「自粛」して自宅に座っていれば、お金の流れはストップする。
そして、ただでさえ「暗黒の20年」「100年に1度の大不況」で景気が悪いのに、
さらに「縮小スパイラル」が加速していきます。
いや、既に「縮小スパイラル」は加速して“いる”のです。
日本から悲鳴が聞こえてきます。
「リーマン・ショック後より、さらに悪い!」
(●震災の影響でリストラされたOさんの体験談は
【おたよりコーナー】で)
「暗黒の20年」「100年に1度の大不況」「東日本大震災 自粛」
と経済にとって最悪事態がつづく中、さらにひどい「人災」がひきおこされようとしています。
それが、「復興財源」という誰でにも反対できない「大義名分」を利用した
「消費税ひきあげ」
なのです。
ここまで読まれた皆さまは、消費税をあげたらどんなことになるかもうおわかりでしょう。
●消費税増税 → 消費減 → 生産減 → 所得減 → また消費減 → また生産減 → また所得減 (以下同じプロセスのくり返し)
不況時の増税は、消費を激減させる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そして、企業の生産および法人・個人の所得は減り、縮小スパイラルに突入することでしょう。
「復興財源を確保する」目的で増税したら、逆に税収が減っちゃった!(涙)
となるのは、不可避なのです。
不況時に消費税を上げ、景気がボロボロになった過去の例もあります。
日本の消費税は、1989年に導入されました。
当時の税率は3%。
これを橋本さんは、1997年に5%まで引き上げます。
そしたらどうなりました?
見事に消費減 → 生産減 → 投資減の縮小スパイラルに入ってしまったでしょう?
もっと具体的に数字をあげて。
日本の名目GDPは、バブルが崩壊した1990年、約440兆円でした。
すべての人が「バブルは崩壊した!」といいましたが、その後も少し
ずつGDPは増えていたのです。
91年468兆円
92年480兆円
93年484兆円
94年 486兆円
95年 493兆円
96年 504兆円
97年 515兆円
数字をじっくり見てください。
GDPは、少しづつですが一貫して増加しています。
ここで●橋本内閣は●消費税を2%引き上げを決定します。
98年 504兆円
99年 497兆円
00年 502兆円
01年 497兆円
02年 491兆円
03年 490兆円
04年 498兆円
05年 501兆円
06年 508兆円
07年 515兆円
08年 494兆円
↑
どうですか、これ?
消費税引き上げ前と後で、明らかな違いがわかるでしょう。
消費税引き上げまで、ゆるやかな成長。
その後は、500兆円をはさんで上がったり下がったり。
で、肝心の税収は増えたの?ということです。
消費税が引き上げられたのは97年。
98年の消費税収は96年比で4兆円増えました。
しかし、所得税収は2兆円、法人税収は3兆円減った。
つまり、税収全体では1兆円減ってしまったのです。
どうですか?
私が日本経済は『壊滅する』と書いたわけがご理解いただけるでし
ょう。
税率をたった2%引き上げただけでどうなったか、私たちは忘れてはいけない。
「自粛」により縮小スパイラルが加速している時に消費税をあげれば、
日本経済は、まさに「壊滅」します。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
いかがでしょうか?
今回の話、「もっともだ!」と思われたかたは、この情報を拡散していただけるとありがたいです。
その際、広告等余分なものは、どんどんカットしてください。
びっくりですが、GDPの変化が事実である以上、これ以上の増税は避けないといけないようです(ちなみにカナダはリーマンショックの前に消費税率が下げられました。結果的に、経済は維持できています)。
言われてみれば、確かにこの記事の通りになると思います。消費税が上がると「買い控え」が起きるのは間違いないですから。
この記事については著者からも、「転載してもらって構わない」とありますので、周りにこの仕組みを知らない方がいたら、教えてあげてください。
消費税が5%になった時の前後の資料も見てもらえれば、「消費税増税は失政になる」というのが分かってもらえると思います。
詳しく知るために
この日の記事だけでは、話の全体像が分からない人も多いかも知れません。
もっと詳しく知りたい方は、このメルマガのバックナンバーを読んでみることをお勧めします。
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