JPNUni
被災地に義援金が行かない大型募金団体?
かなり早くから「募金詐欺にお気を付け下さい」と、報道がなされています。
募金を受け付けている団体にはいろいろあり、大型の有名な団体でも、募金先によっては「今回の震災支援には義援金が回らない」というケースもあるようです。
今回指摘があったのは、「日本ユニセフ協会(代表:アグネス チャン)」。
2011年4月15日の週刊ポストの記事を引用します。
http://www.news-postseven.com/archives/20110405_16645.html
日本ユニセフ 職員36人で粗利益は27億円、法人税はナシ
東日本大震災の募金を呼びかけた日本ユニセフ協会(日ユニ)は、同単体のHPで〈必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、ユニセフが実施する他国・地域での紛争・自然災害などによる緊急・復興支援に活用させていただくことがあります〉と3月14日に発表した。
だが、これに対し、「俺の募金はアフリカに行ってしまうのか」などの批判がネット上で多数書き込まれ、その後同団体は募金は東日本大震災の被災者に充てられると発表した。
そもそも日ユニとはどんな団体なのか。
「国連ユニセフの活動を支援することを目的とした財団法人」であり、ユニセフ本部直轄の駐日代表部は別に存在する。
「ユニセフ」という名称を含むことから、ユニセフの「日本支部」と思われがちだが、国連機関ではない。
しかし、多くの国民や篤志家、そして日ユニに寄託するボランティア団体でさえも「国連組織」と誤解し、日ユニもそれを周知させていない点に、今回の騒動の根がある。
国連の冠を掲げて募金を集める日ユニは「超金満団体」でもある。
日ユニはユニセフと協力協定を結んでいるが、協定には「集めた募金の最大25%までが運営経費として認められる」とある。
2009年度の収支計算書によると、事業活動収入は約190億円。
うち90%以上が募金収入だ。支出はユニセフ本部への拠出金が約163億円(業務分担金約11億円を含む)。
つまり、約27億円が日ユニの“粗利益”である。公益法人と認められているため、法人税はかからない。
では、その大金を何に使っているのか。
内訳は募金活動事業費(約14億5000万円)、啓発宣伝事業費(約5億円)、管理費(約3億円)など。
職員わずか36名の団体が募金を右から左に動かすだけで、30億円近い活動費を使うことには違和感もある。
職員の給与は「地方公務員並み」(日ユニ広報室)というから人件費だけでは数億円だろう。
金満経営が槍玉に挙がったこともある。
日ユニが2001年に東京・高輪に地上5階、地下1階、延べ床面積1100坪の本部ビル(ユニセフハウス)を建設した時、25億円の建設費用は日ユニの活動余剰金が充てられたが、「その金で何人の子供たちを助けられるのか」と批判が巻き起こった。
※週刊ポスト2011年4月15日号
つまり、ユニセフは最初から「先進国の被災地向け募金機関ではない」ということですね。
記事を要約すると、
- 日ユニは、国連機関ではない。
- 途上国支援用の「私設」募金機関である。
- 募金額の25%は日ユニの「事務費」扱いに(日本赤十字は9%)。
- そして、膨大な事務費が日ユニには残る。
- その事務余剰金で、一等地に自社ビルまで持っている。
ということになるようです。
この件についてなぜ記事になったかを調べてみましたが、
- 今回の震災でも当初「募金はアフリカとかに使うから」とウェブサイトに更新
↓ - 「じゃあなんで震災向けの義援金を集めているの?」と問い合わせ多数
↓ - 「今回の震災は義援金は回す予定です」とウェブサイトに再更新
↓ - 「じゃあ阪神や中越地震では義援金は渡さなかったの?」と再度問い合わせ多数
↓ - 「違うんです。記事は誤解なんです」ウェブサイトを再々更新
↓ - 「何がどう違うんじゃあー!」とさらに問い合わせがヒートアップ
という状態のようです。
ユニセフの設立趣旨と震災の義援金活動は最初から路線が違うようですから、正直な話、今回は別の団体を募金先にした方が良いようです。
ユニセフとの契約上も、1万円寄付したら、7500円は途上国支援に行くようですし。。。
「ユニセフ国内委員会大使」と「ユニセフ国際親善大使」
「ユニセフって黒柳徹子さんがやっているんじゃないの?」と思われる方も多いですが、そもそも、黒柳さんとアグネスさんは、全く別の団体の大使です。
- 黒柳徹子:ユニセフ国際親善大使(の日本代表者)
国連から直接指名された親善大使。各国に一人。
- アグネス チャン:日本ユニセフ国内委員会大使
ユニセフが任命するのではなく、各国のユニセフ国内委員会が任命し、それをユニセフが承認する大使。
日本におけるユニセフ国内委員会はユニセフ日本委員会(別名は日本ユニセフ協会)
参考資料:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%83%95%E8%A6%AA%E5%96%84%E5%A4%A7%E4%BD%BF%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E6.97.A5.E6.9C.AC
ですから、日本ユニセフ協会と黒柳徹子さんは、全く関係がないということになります。
ちなみに、黒柳徹子さん経由でのユニセフ募金も可能です。
この場合、募金のほとんど全てがニューヨークのユニセフに送られます。
その代わり、お礼状の発行なども全くしてません。
「切手代も事務費もなるべく省いて送金したいので」という理由からです(正直、領収書も出していなそうなウェブサイトです)。もちろん、自社ビルなどは持っていません。
詳しく知るために
もっと詳しく知るために調べてみると、この問題に関する某巨大掲示板のまとめサイトが出てきました。
たくさんの人のコメントが載っているので、良い参考になると思います。
http://blog.livedoor.jp/video_news/archives/1657876.html
参考資料:
- 某巨大掲示板 関連まとめサイト
http://blog.livedoor.jp/video_news/archives/1657876.html
- 日本ユニセフ協会(アグネス チャン)
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011.htm
- ユニセフ親善大使(黒柳徹子)
http://www.inv.co.jp/~tagawa/totto/hope.html
- ユニセフ公式サイト
http://www.unicef.org/
関連リンク:オーロラ鑑賞報告 2011年4月5日分
http://www.canadaauroranetwork.com/index.php?aur-soku201104a